はじめに
EC2上でExcel動かしたいんだけど、という要望があり、
あまり聞かない話だな、と思ってライセンス周りを確認しました。
結果としては、導入可能
よくある質問に記載がありました。
https://aws.amazon.com/jp/windows/faq/#byol-office
自分の Office ライセンスを AWS で使用することは可能ですか?
はい。EC2 Dedicated Hosts または EC2 ハードウェア専有インスタンスでは、Microsoft Office を BYOL で使用することが可能です。既存のライセンスを EC2 Dedicated Hosts または EC2 ハードウェア専有インスタンスに持ち込んだ場合、全面的にお客様専用のハードウェアを使用していることになります。この場合、Microsoft 製品規約内のアウトソーシング条項が適用されます。そのため、自分の Windows クライアントライセンスに自分の Office ライセンスを持ち込むことが可能になります。
ただしいくつか注意事項がある
- EC2 Dedicated Hosts または EC2 ハードウェア専有インスタンスを使用すること
- BYOL、つまりライセンスは自分で用意して持ち込むこと(ライセンス込みのAMIは無い)
AWSにおけるMicroSoftのライセンス全般の話
上記の記載を見てもピンとこなかったので、さらに深く調べていきます。
https://aws.amazon.com/jp/windows/resources/licensing/
MicrosoftソフトウェアライセンスをAWSクラウドで使用するためには、下記いずれかの手法をとります。
1.ライセンスを AWS から購入する
2.ライセンスを AWS に持ち込む
1.ライセンスを AWS から購入する
ここでいうライセンスの購入とは、
ライセンス込みのAMIからインスタンスをローンチすることを指します。
そうすることで、インスタンスの課金にライセンス費用が上乗せされます。
Windows Serverのライセンスが含まれないAMIなんてあるの?
自前の仮想マシンをVM ImportでAMIに変換したケースが該当するかと想定しています。
1.の対象となる製品
- Microsoft Windows Server
- Microsoft SQL Server
この2つ以外のMicroSoft製品は、ライセンスを自前で用意しなければならないということです。
2.ライセンスを AWS に持ち込む
このパターンは更に細分化されます。
2.1.ソフトウェアアシュアランスなしの場合
2.2.ソフトウェアアシュアランスありの場合
ソフトウェアアシュアランスとは
Microsoftのライセンスを大量に購入した場合に、いろいろと特典をつけてくれるオプションです。
ソフトウェアアシュアランスがあれば、
MicroSoft製品によってはライセンスモビリティが使用できます。
(ちなみにMicroSoft Officeは対象外です。)
https://aws.amazon.com/jp/windows/faq/#lm
ライセンスモビリティは、Microsoft ボリュームライセンスをお持ちのお客様がご利用になれる特典です。
ライセンスモビリティがあると何がよいのか
ホストをやハードウェアを専有する必要がなくなります。
逆に言うと、ライセンスモビリティがないと、
共有テナンシーのインスタンスにライセンスを持ち込むことは出来ません。
テナンシーの種類
EC2やRDSのインスタンスは、AWSが管理する物理的なサーバ上で動く仮想マシンですが、
その際の物理的なサーバ(ホストハードウェア)の扱い方によって種類があります。
No. | テナント属性の値 | 説明 |
---|---|---|
① | default | 共有テナンシー、あるいはMulti-Tenant。異なるAWSアカウントのインスタンスとホストハードウェアをシェアする。 |
② | dedicated | ハードウェア専有インスタンス、あるいはDedicated instances。異なるAWSアカウントのインスタンスとハードウェアをシェアしない。 |
③ | host | 専有ホスト、あるいはDedicated Hosts。ホストハードウェア自体を専有する。 |
ソフトウェアアシュアランス(SA)の有無とテナンシーの組み合わせ
No. | テナント属性の値 | 2.1.SAなし | 2.2.SAあり |
---|---|---|---|
① | default | ✕ | △ |
② | dedicated | ○ | ○ |
③ | host | ○ | ○ |
簡単に書くとこうなりますが、実際は製品によってさらに細分化されますので、
詳細は下記ページの表をご確認ください。
https://aws.amazon.com/jp/windows/faq/#byol-choice
また、「ソフトウェアアシュアランスによるライセンスモビリティ」が
可能なMicroSoft製品については、下記ページを参照してください。
https://aws.amazon.com/jp/windows/resources/licensemobility/
おわりに
結果、MicroSoft Officeを導入する際は、
2.1.ソフトウェアアシュアランスなしの場合に該当し、
テナンシーとして②③いずれかを選択する必要がある、ということを理解しました。
普段Windows Serverのライセンスを気にしなかったので、よい勉強となりました。
以上です。