毎週末、僕に会いに来てくれる子がいる。
その子の話をしようと思う。

その子の名前は「金曜日ちゃん」という。
金曜日ちゃんは、少しドジで、
口癖のように「痩せなきゃなー」と言っているのに
毎度金曜日になると「ケーキ買って来ちゃった」
と言って小さなケーキを二つ買って来る。
勿論これは僕の頭の中の出来事で
概ね毎週、金曜日ちゃんはやってくる。

この辺まで読んで、だいたい皆さんの中に
思い浮かんでいることは分かるので、
先に言っておくと
信じがたいことに私は正気を失っていないので
許されるならこのまま書き続けたいという事だ。

金曜日ちゃんは、だいたい金曜の午後
疲れた顔で煙草を吸っている時にやってきて
僕にほんの少しだけ頑張る力をくれる。
信じがたいことだが、本当だ。

もう一人、毎週あってくれる子がいる。
「月曜日ちゃん」という子だ。
僕は日曜の夜あたりから、月曜日ちゃんのことを考える。
僕は、いつも月曜日ちゃんの家に行く。
玄関を入ると、すごく散らかっている。
小さなものから大きなものまで
タスクが散らかっている。
月曜日ちゃんはいつもこう言う。
「先週よりも散らかしちゃった」
僕は「そうだね」といって
なるべく小さいタスクから順に並べて
どうやって処理しようか考え始める。

月曜日ちゃんは僕のそんな姿を見て
いつも困ったような
申し訳ないような顔をしている。
散らかしたのは僕なのに、彼女は申し訳なさそうに
「ごめんね、先週より散らかしちゃって」と
僕にあやまる。
僕は「大丈夫、来週までにはきれいになるよ」
といつも言うけど、実現できたことがない。

前置きが、長くなったが本題に入ると、
「祝日ちゃん」という、天使みたいな子の話だ。

祝日ちゃんはふとした時に現れて、
「調子どう?」と聞いてくれる。
僕はいつも「最高だよ、大好きだよ祝日ちゃん」という。
そう祝日ちゃんが来るときは、僕はいつだって上機嫌だ。

でも本日、3月21日は
「土曜日ちゃん」と「祝日ちゃん」が一緒にやってきてしまった。
僕はキャパシティが小さくて、二人も同時に相手できないし
二人も二人で、僕が「どっち」と過ごすか気になっているみたいで
凄く困ってしまう。
いつもなら「祝日ちゃん」が「振り替え休日ちゃん」とか
「ハッピーマンデーちゃん」とかになって日を改めてきてくれるはずなんだけど、
今回は土曜日ちゃんと一緒にやってきてしまい
今、二人は茶飲み話をしながらお互いけん制しあっている。

僕はすごくどうしていいかわからない。

TOP